Experience Prototypistのマルチリンガル子育て+プログラミングブログ

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「超」アメリカ整理日誌



すでに読み終えてから時間が経ってしまったが、「超」アメリカ整理日誌を読んだ。

本書は、著者である野口悠紀雄氏がスタンフォード大学客員教授時代に週刊ダイヤモンド誌の2004年5月1・8日合併号〜2005年4月16日に連載したものをまとめたもの。元々が雑誌の連載に書いた軽めのものなので、すぐに読み進められる。テーマはアメリカから見た日本であって、整理法とは特に関係ない。

スタンフォード大学客員教授時代ということで、話題は自然とカリフォルニア(のとりわけパロアルト周辺)の話題が多く、前職、現職と何度か出張の機会に恵まれた私としては、「あ、それそれ」という感じで読み進められた。とはいえ、インターステイト280号線(two eighty)が世界一美しい高速道路と呼ばれているとか、パロアルトにライオンが出現する(動物園にいるあのライオンではなくて、Mountain Lionという種類だが、怖いことには変わりない)ことなど、当然、まだまだ知らないこともたくさんあり、非常に面白かった。

アメリカのチップのいらない場面(たとえば役所)でのサービスの悪さや、高級・高額病院での至れりつくせりのサービスの良さ、あるいは世界に目を向けない(パスポートを取って国外どころか、隣の州以外にいったことがあるかどうかも怪しい)面など、アメリカ全体に関する部分と、カリフォルニアという、全米の中でも決して普通や平均ではない場所に関連した考察とがおりませられている。

カリフォルニアというのは、アメリカの中でも特殊な地域で、本書でも統計が出ているが、白人の占める割合が46.7%(全米では69.1%)、黒人の占める割合が6.7%(全米では12.3%)である一方、ヒスパニックの占める割合は32.4%(全米では12.5%)といった感じで、街を歩いていてもヒスパニックとアジア系(中国系であったり、ベトナムや韓国系であったり)が圧倒的に目立つ国である。下手な英語にも寛容(下手には寛容だが、通じない英語には寛容ではない、当然)、ヒスパニックの中には(私も経験したのだが)英語が通じない人も少なくない。

IT系の企業に勤めている・いないに関わらず、西海岸に出張に行く機会があれば、出発前、あるいは機内ででも目を通しておくと、よりいろいろなものが見えるだろう一冊だ。

「超」アメリカ整理日誌