Experience Prototypistのマルチリンガル子育て+プログラミングブログ

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iPadを待ちわびて...ドキュメントスキャナー Canon DR-2510Cレビュー

iPadはどうやら日本では4月末ごろに出てきそうだが、コンテンツの方、新聞や雑誌、書籍はどういった形で出揃ってくるのだろうか。自分で既に保有している書籍や雑誌の電子化については、以前に書いたことがあるのだが(id:mfunaki:20091207)、その頃と状況も変わってきたので今回はCanonのドキュメントスキャナー imageFORMULA DR-2510Cのレビューとしてアップデートする。

iPhone情報整理術 ~あなたを情報’’強者’’に変える57の活用法!(デジタル仕事術シリーズ)にも「裁断機とScanSnapで紙資源をすべてPDF化する」「Good Readerで大容量PDFを楽に読む」という章が設けられているので、同書を読んで、ScanSnapやPlus裁断機PK-513を購入した人もいるだろう。私の場合は裁断機を置く場所がままならないのと、幸いにしてfedExKinko'sが徒歩3分の場所にあるので、雑誌や書籍を持ち込んで裁断してもらっている。裁断機の置き場を考えたり刃の寿命を気にしなくてもよく、かつ24時間営業なので、必要ならいつでも裁断が依頼でき、費用だって私の読むような雑誌であれば、2冊100円である。

さて、これまでは、プリンタとスキャナとの複合機を使って書籍の電子化を図ってきた。初代はBrother DCP-535CNで、これはスキャンスピードはそこそこ速いがまっすぐスキャンされない(歪んでスキャンされてしまう)ので、OCR(読んde!!ココ)の補正機能がないと全く使い物にならなかった。ただし、OCRでの透明テキスト付与はどのみち必要なので、コミで考えれば悪くない選択である(ブラザーの複合機は高機能の割には安いので、コストパフォーマンスは高い)。なお、本機はADFを搭載しているものの片面だけの対応である(こちらも読んde!!ココの機能を使えば、表・裏の2回に分けてスキャンした内容を自動的にページ数順に組み直してもらえる)。

二代目(2台目?)はCanonPIXUS MX860である。なぜMX860を買ったのかというと、DCP-535CNで提供されている機能(私のほしいところで言えば、ADFコミのスキャナ機能、Windows/Mac対応、無線LAN経由での接続)に加えてADFが両面対応しているからである。これでスキャン→PDFの手間が軽減されるかと思いきや、ADFの両面対応はA4用紙の場合であった。私は主にB5版の雑誌をスキャンしているので、作業効率はDCP-535CNと全く変わらない、というよりもスキャン速度は速いものの、PCへの転送速度がかなり遅いため、以前よりもストレスが増してしまった。

三台目が今回取り上げる真打ち、CanonのDR-2510Cである。複合機ではなく、ドキュメントスキャン専用機である。ScanSnapでなくDR-2510Cを買ったのは、多少安かったのと、ScanSnapと違ってTWAINにも対応しているので、専用アプリ以外に他のアプリからも使えるだろうという読みからである。なお、製品添付のCD-ROMにはMac関連のドライバやソフトは入っていないが、Canonのサイトからダウンロード可能である。Snow Leopardでも問題なく使えている。



結論から言うと、おすすめである。私はよく中国語ジャーナルという100ページ強の雑誌をスキャンするのだが、スキャン+PDFファイルとしてできあがるまでの所要時間は10分である。PDFのサイズを最小化するために、カラーのページと白黒(正確にはグレースケール)のページとを分けてスキャンした場合でも10分(中国語ジャーナルの場合は5回に分けてスキャン)、前半のカラーのページと白黒のページ、後半の白黒のページ、裏表紙(カラー)の3回に分けてスキャンした場合の所要時間は7分ほどである。

なお、ここで言っている所要時間とは、スキャン時間+PDFファイルとして保存する時間(この際OCRで透明テキストも付与される)+手作業でPDFファイルを1ファイルにマージする時間である。また、PDFのマージはMacのプレビューという標準アプリを使って手作業で行っている。ファイルサイズは5分割スキャンの方は32.8MBであるのに対して、3分割スキャンの方は39.4MBなので、(所要時間というより、手作業を減らすという観点からは)3分割でも良いかな、と思う。いずれにせよ、上の1台目、2台目で作成されたPDFファイルが50MB弱なのでコンパクトに仕上がっている(ただし、50MB弱になる要因としては読んde!!ココの制約上、解像度を300dpiでスキャンしているのに対し、DR-2510Cの方は解像度200dpiでスキャンしている)。

不満もあげておこう。カラー白黒検知という機能があるのだが、私の場合、これは使い物にならなかった。カラーの原稿と白黒の原稿が混在しているときに、自動的に切り替えることにより、最終的にはPDFサイズを小さくするというすばらしい機能であるはずなのだが、実際に使ってみると、自動検知してほしいのは、カラーと白黒ではなく、カラーとグレースケールである。また、斜行補正というスキャンした後の画像の傾きを自動補正する機能があるのだが、オンにすると傾いていないものが傾いてしまったり(画面のレイアウト上、斜め線が入っているような場合?)、オフにするとやっぱり傾いてスキャンされたりということで、オンにしてもオフにしても傾いた原稿が散見される(前述の中国語ジャーナルの100ページ強の中で言えばページ数にして2~4ページ程度)。私の場合は自分が読めればそれでいい、という考えなので特に文句はないのだが、保存版としてのデジタル書籍を最高の品質で、という考えであれば、その期待には添えないかと思う。

また、CaptureOnTouchという標準のスキャンソフトには、継続スキャンを有効にするというチェックボックスがある。これは、原稿が一度に30枚(60ページ)ほどしか入らないため、複数回に分けてスキャンする場合でも、1PDFとしてまとめて出力できるという機能なのだが、スキャナの設定(とりわけ上述のカラーとグレースケール)を変更して継続スキャンをすることはできない。これができれば、自分でPDFをマージなどということをする必要はなくなるのだが、残念である。

不満はあるものの、それ以外はこれまでの1ヶ月ほど使った中では気になるようなことはない。たまにスキャンする、ではなくて、身の回りの書類なり書籍、名刺等、手当たり次第にスキャンしてEvernoteに突っ込んでいくという用途にはおすすめの一品である。

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