Experience Prototypistのマルチリンガル子育て+プログラミングブログ

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iPhone with iCloud, without PC/Mac - スマートフォンのデバイス管理という視点 (1)

そういえば、私のブログではMDM(Mobile Device Management)に関しては、ほとんど何も語っていなかったような気がするので、今日はiPhoneを題材に少しMDMを取り上げてみましょう。

スマートフォンのデバイス管理という意味では、たとえば、BlackBerryはそれ自体一つのプラットフォームとして完結した形でデバイス管理の機能を搭載していたり、MicrosoftWindows Mobileであれば、Microsoft SCMDM (System Center Mobile Device Manager)がMicrosoftから提供されています。つまり、スマートフォンベンダ(RIMやMicrosoft)がデバイス管理のプラットフォームも合わせて提供しているわけです。

一方で、iPhoneiPadといったiOSデバイスやAndroidデバイスの場合、デバイスベンダが直接そういったソリューションを提供しているわけではありません。例外としては、AppleMobileMeのサービスを通じてコンシューマー向けに端末の現在位置の取得やメッセージ送信、リモートロックやワイプ(データ消去)の機能を提供しています。

iOSAndroidといったスマートフォンOS(さらにWindows Phoneをここに加えても良いかも知れません)が、従来のスマートフォンOS、たとえばWindows Mobileと徹底的に違うのはセキュアなOSである、というところです。あるアプリが別のアプリの情報を取得したり何らかの設定を行ったり、あるいはシステムの情報を取得する、あるいはシステムに情報を設定するということがほとんどできません。こういったことができると、便利といえば便利なのですが、こういったことができる「良い」ソフトウェアが「デバイス管理ソフト(等)」、「悪い」ソフトが「マルウェア」ということであれば、使用している技術要素に何ら異なる点はなく、単に「良い」「悪い」という使われ方の違いにしか過ぎないわけです。

たとえば、iPhone/iOSでは未だに(アプリケーションではなく)IMEとしてのATOKがリリースされていないわけですが、これなんかも、「キー入力を捕捉(してひらがなを漢字に変換)する仕組み」は、あるときは「IME(かな漢字変換)」と呼ばれ、あるときは(パスワードなどのキー入力情報を盗用する)「キーロガー」と呼ばれる、同じ技術要素が良かったり、悪かったりするというところに起因するのかと思われます(Apple自身がジャストシステムの競合ということにはならないでしょうから)。

では、そういったセキュアなOSを搭載したスマートフォンのデバイス管理はどのような形で実現が可能になるのでしょうか。−(2)に続く