私はこれまで楽天を愛してきていた。本体の楽天市場にしてもダイヤモンド会員ってくらいロイヤリティも高いし、楽天銀行の口座も持っていたし(今は閉じてしまった)、株の売買は楽天証券だったし、自宅のインターネット回線は楽天ブロードバンド。もちろん楽天カードだって持っている。電子書籍はサービススタート以来の楽天Koboのハードユーザだ。ひと頃は楽天レンタルもハードに使っていた。ホテルは出張だろうとプライベートだろうと、楽天トラベルだ。そういえば楽天Edyなんてのもあった。
楽天の魅力、それはNo.2の魅力ではないかと思う。追う者が持つ魅力がある。楽天グループへの忠誠度が一定を越えると、楽天ポイントが面白いようにたまる。7月も計算してみたら15,223ポイントが付与されている。期間限定でないポイントは主にANAのマイレージに移行してしまい、期間限定のポイントは(以前はムダな買い物をしていたりもしたのだが)主にKoboで電子書籍の購入だ(本は腐るわけじゃないし、手許にあれば読んでしまう)。Koboは頻繁に30%引きセール開催というのもありがたい。書棚の積ん読本を自炊して読むくらいなら電子書籍で買った本を読もうという気になる。
何が気にくわないかといえば、それはサービス間の連携のどうしようもない無さだ。楽天銀行に口座を開いても、キャッシュカードとクレジットカードの一体型カードがJCBでしか用意されていない(楽天カード単体はJCB, Visa, Masterが用意されているのに)。楽天カードには家族カードがあるのだが、楽天銀行には家族カードというシステムがない。
そもそもKoboにしても、一旦購入した書籍が有償・無償を問わず他人に所有権を渡すことができないというのなら(その分、価格を下げろとは思うが)それはそれでいいのだが、家族の中での譲渡(共有とは言わない。紙の本と同様、実体は常に1冊という考えでよいだろう)くらい認めてくれるよう、出版社なり著作権者とネゴしてくれれば、Amazon Kindleと比べて大きな差別化だと思うのだが。
アカウント1つで家族で複数端末を買えば(あるいはスマホ上でKoboアプリを使えば)、似たようなことはデキてしまうのだから(ただ、この場合、自分が読書中の書籍を家族に読まれると、どこまで読んだのかの位置情報が狂ってしまうのが難だが)。顧客ベースを増やすのであれば、CMでマスに訴えかけるのもいいけど(ネットがリーチしきれていない層ということだろうが)、既存顧客に家族をもう少し巻き込んでもいいんじゃないの?と思う。
収入がそこそこあって教育に熱心な親なら、自分の子供にお小遣いは毎月いくらと決めても、本ならいくらでも買っていいよ、くらいのことは言っているのではないだろうか。それをシステム化してサービスとして提供することがなぜできないのだろう?
最近はAmazonプライムも商品種別ごとに発送拠点が日本全国に分散しているので、東京に住んでいても当日注文・当日発送の恩恵にあずかるという機会は減ってきている(楽天の「あす楽」より多少ましかなといった程度。これはAmazonが恐らくは書籍に関して当日発送を堅持しようとしているのだろうが、私が紙の本から電子書籍にかなりシフトしてしまったからというのもあろう)。
海外戦略にしても極東言語オタクの私からしたらまだまだ言いたいことはある(タダで話すつもりはないが)。英語公用語化だって、プログラミング言語(Java)の習得だって(プログラミングがうんぬんというより、デザイン思考的に言えば「プロトタイピング」のためのツールとしては)全然アリだ。うん、そうだ。前述の各種不満もプロトが足りていない or 反復(Iteration)が足りていないに違いない。
楽天、これだけのパーツを持っているのだから、本来ならばもっとイケてていいはずだ。しっかりしてくれ。
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