Experience Prototypistのマルチリンガル子育て+プログラミングブログ

Design Thinking、語学(英語、中国語、韓国語)、日中マルチリンガル育児、littleBitsやRaspberry Pi, Arduinoを使ったExperience Prototypingネタ。

なぜ悩み事は親に相談すればよいのか?

唾液送ってゲノム診断ってのを最近やってみたら、祖先はインドシナ半島由来(日本人のうち7%)とか、まぁ見た目で人に言われてきたことを改めて指摘されたよーな感じ。健康リスクとか体質は量が膨大なので見切れていないが、(今の時点で)そーだと思えるものと違うなーと感じるものとそれぞれ。

まぁ、こういうのを見たり、子供を育てたりして思うのは、子は悩み事・心配事があれば、まずは親に相談するのが一番ということ。自分の通ってきた道は親も通ってきた道だということが(性格やそれに伴う世の中での身の振り方も含め)少なからずあるな、と。結果として違う人生を歩んでいるにせよ、途中は結構同じようなところを通り抜けていそうだ(もちろん血がすべてを決めるわけではなく人間には自由意志もあるわけだが)。

私も人の親なので、子が相談したいときに、優先順位なのか、信頼度なのかはともかくとして、一番に相談したいと選んでもらえるようにしないとね。

Kindle Unlimited, 購入履歴をtodoアイテムに登録したいんだけど...

電子書籍の読み放題サービス、Kindle Unlimitedが始まったというので、早速利用してみた。

幸運にも、読みたいと思う本も少なからずあったので、ちゃんと読む時間が確保できるのであれば、毎月980円払ってもいいかな、といったサービスである。

問題なのはこの「ちゃんと読む時間が確保」というところで、時間確保のために、タスク管理系のサービス(iPhone標準のリマインダーとか。私の場合はTodoistというサービスを使っています)を使っていることもあり、「読み放題で読む」ボタンをクリックした際に(購入時と同様)メールが飛んでくるのであれば、そこをトリガーにやることリスト(とうまくいけば読了時間の見積もり)を自動的に登録させよう、などと考えておりました。

が、「読み放題で読む」ボタンを押してもメールが来たりはしないのでした(費用が発生しているわけではないから)。もちろん、同時並行で読める本は10冊までで、その10冊がどの本なのかとか、読んだ本は削除して別の本をダウンロードできるようにする、というのはAmazon.co.jp上の「コンテンツと端末の管理」画面からできるのですが、長い書名は後ろの方が省略されて見えないし(雑誌なんかだと肝心の何月号かがわからない)、そもそも手作業で書名コピー、タスクリスト作成ってのは全くイケていない。

確か、Kindle Oasisを出した際に、読書体験(Experience)にとことんこだわって、デザイン思考を使って作り上げた(だから一見してこれまでと違って「読みにくそう」な印象があったとしても、実際はより優れた体験を提供できるのである)、みたいな言い方がされていたかと思うが、是非、before reading, purchase, reading and purchase anotherのすべてのフェーズでよりキモチ良いExperienceをアマゾンさんには提供して欲しいと思う次第。

そもそも購入マネージメントとか利用管理とかって(Kindleに限らず)Amazonが握りやすいところだから、Amazon自体が「利用体験」のマネジメントを提供するとか、メッセージ系のサービス(LINEとか)が会話の中からやることリストを作ってくれるってのは嬉しい+お金払って良いサービスになりそうなんですけどね(LINEだったら、Amazonの発送情報なんかも受け取れるし、他のサービスとの接続性も高いから)。

共感の重要性、そして難しさ、最後に楽しさ

お客様の悩みを先に見抜く

誕生日にプレゼントを送る際に、あらかじめ何が欲しいのかを誰か親しい人に聞き出してもらい、誕生日当日、用意しておいたプレゼントをサプライズで贈る。「それって、うまく行くのかも知れないけれど、聞き出している時点で負けじゃない?」

どの工場にもさまざまな悩みがあります。何が必要かを聞くのではなく、その悩みを先に見抜き、何があればよいかを提案する。

安川電機の産業用ロボット、モートマン(MOTOMAN)が世界ブランドになったのには、同社の持つ高い技術力があったのはもちろんでしょうが、そんな利島イズムが社内に浸透していたという背景もあるのでしょう(【九州の礎を築いた群像 安川電機編2】ロボット(中)「ホンダに納入できれば世界一が見える!」 利島イズムで新鋭ロボを続々開発)。

実際には欲しいものを聞き出すなんてできない

私がデザイン思考をビジネスにおいて活用しだしたのは、2007~08頃だったかと思います。テクノロジー製品をお客様に売り歩く中で、お客様に入っていきやすいのが、エンジニア(お客様) to エンジニア(自分) の間で波長が合う、共感ができる場合です。「こんな技術があるんです」「面白そうだね」「こんなことができるんです」「へぇ~、じゃあ、もしかしてこんなこともできるの?」「ほら、こんな感じでできるんですよ」といった会話ができるお客様が相手の場合です。

その一方で、波長が合わないわけではないのに、共感がしづらいケースもあります。「こんな技術があるんです」「面白そうだね」「こんなことができるんです」「いや欲しいのはそういうのじゃない。御社の技術はいいと思うんだ。僕が考えてきたことにはまりそうな気がする。売りたいんでしょう?何ができるのか、ちゃんと買いたくなるような提案をしてよ」。関心は持っていただけている。提案に対してNoを言ってくれても、これが欲しいと言ってくれるわけではない。

実は当の本人もわかっちゃいないから聞き出せない

そんなときに必要なのは、お客様自身を観察し、会話の中から思いの発露したキーワードや表情を捉える力であったり、お客様との間の会話を整理して、提示する力であったり(そうそう、俺が考えていたのはこういうことなんだよ)、お客様のお客様を観察する中での気づく力だったりするのでしょう。お客様自身がいじわるで自分が何が欲しいのかを教えてくれないのではなく、そこを考えること自体がお客様のミッションだという場合もあります。コンサルにいくらいくら払ったけど、結局大したことはなかったな、というのが往々にしてこのケース。

私から言えることは、「まずは試してから考えてみましょう」ということです。提案なりその中のアイデアがいい・悪いと評価するのではなく、プロトタイプを作り、使った上で、(お客様の考えている、ことによると言語化されていない、明確になっていない課題に対して)何が良いのか・悪いのかを洗い出してみるところから始めましょう、ということです。

筋のいいアイデアは課題解決に留まらない、オーバーアチーブ力がある

私には1歳3か月の息子がいるのですが、これくらいの年齢だと真理を語って、正しい行動に促すというのはまだまだ無理です。「かまれると痛いから噛むのを止めなさい」とか「後でおなかが痛くなるから、食事の前には手を洗いなさい」と言っても、前段が後段を促進するというのは100%無理です(言語的な理解力の不足ももちろんありますが)。

南アフリカで「子供たちに手を洗ってもらう」という課題を達成するために、石鹸の中におもちゃを入れておくというHOPE SOAPは、決して子供たちに衛生の重要性を教えているわけではありません。しかし、理解より実践が喫緊の問題です。子供たちはHOPE SOAPのおかげでおもちゃを手に入れようと、進んで手洗いするようになりました。それどころか、頼みもしないのに頭からつま先まで全身をきれいに洗ってくれるようになりました。そのほうがおもちゃがより早く手に入るからです。石鹸を使うことで自分の人生がどう変わるのか、どこかのタイミングで何かの理由で気づくのでしょう。そちらも追いかけてみる価値がありそうです。


HOPE SOAP - WHO Y&R (Cape town) - YouTube

思うに、そもそもの課題設定は「手を洗ってもらうこと」ではなく「病気の撲滅」だったり「予防医学による医療費の抑制」といったあたりが真の、ただし明確になっていない課題だったのでしょう。例えば、同様のアプローチで、交通ルールを守ってもらうために、事故の悲惨さというホラーストーリーに頼らない、別のアプローチが見つかるかもしれませんね。真の課題に迫ることもできそうです。

ちなみにウチの息子は手洗いが大好きです。蛇口のハンドルの上下が出る・出ない、左右が暑い・冷たいに対応しており、自分の欲しい「気持ちよさ」が自分の手で自由にコントロールできるのが手洗い大好きの理由のようです。それでは。