Experience Prototypistのマルチリンガル子育て+プログラミングブログ

Design Thinking、語学(英語、中国語、韓国語)、日中マルチリンガル育児、littleBitsやRaspberry Pi, Arduinoを使ったExperience Prototypingネタ。

2人目は2か月半、クーイング中

2人目が生まれた後はめまぐるしく忙しかったので、全然更新できていなかったのですが、9月に2人目が生まれました。現況はこんな感じになります。

  • 1人目:ろくちゃん (男) 2歳半
  • 2人目:きゅうちゃん (女) 2か月半

2か月半ということもあり、きゅうちゃん、クーイングできるようになりました。ろくちゃんのときはどうだったか、以前書いたものを見てみました。

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あらためてろくちゃんのときの記録を見てみると、クーイングした話はあれこれ書いているものの、赤ちゃんが親の口の動きに関心があること、双方向で会話が成立している点、これらにより新生児微笑から精神的な充足に伴う笑顔に移行する点に関してはまったく触れていませんでした。

クーイング時期には「あー」とか「くー」という声が出ます。声の出し方(声帯の使い方)という点では、まだ「声変わり」できていないので、声変わり以降とは違ったやり方で音というか声を作り出しているわけですが、唇の動かし方や舌の使い方という点では、大人の口元をみて、盛んに学習しているようです。

赤ちゃんの「クー」という声に同じく「クー」と返してやることで(あるいは違った声で返してやることで)、赤ちゃんは意思疎通ができたという達成感を感じることができ、笑顔になります。新生児微笑の時のように、心の状態と関係なく筋肉の動き的に笑顔になる、というのではなく、精神的な満足が笑顔という表現に反映されています。

もっとよく観察すると、単に「クー」に対して「クー」で返ってくることがうれしいだけではなく、唇の動きを見て、その動きを真似して(自己判断として)真似に成功した、と認知できるとうれしい、という2つのうれしさで笑顔が倍増しているようです。

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そう考えると、赤ちゃんがこの時期、近視なのも納得できます。親子で対面したときの間隔は20~30cmといったところでしょうが、唇の動きを学習したり(入力情報)、親の笑顔を認識したり(正解・不正解の報酬情報)するうえで、他の情報は目に入らないほうが都合がよいわけです。新生児の近視はディープラーニングにデータ投入する際のノイズ除去フィルターとして有効に機能しているのはまさに生命の神秘。

私自身の外国語学習の時に当てはめてみても、耳で聞こえる音というのは確かに重要なのですが、加えて視覚的な情報である口の動きが合わせて刺激として入ってくることで、学習が促進された気がします(その一方で、臨界期を超えた後での第二言語習得の場合、耳は母語の影響で区別できる・区別できない音があることは事実であり、どんなに唇に目を凝らしてみても、残念ながら舌の動きまでは見て真似することができないので、母語に比べれば限界があることも事実です)。

視覚から得られる情報は、補助的に使われる(そうでなければ、目が見えない人は発音ができない、という誤った結論になってしまうので)とは言え、柔軟な耳と唇の動きを捉える目があるこの時期を過ごせていることがうらやましくもあります。