Experience Prototypistのマルチリンガル子育て+プログラミングブログ

Design Thinking、語学(英語、中国語、韓国語)、日中マルチリンガル育児、littleBitsやRaspberry Pi, Arduinoを使ったExperience Prototypingネタ。

KDDI版iPhone4Sを海外で使う!−米国編(2)

さて、契約時の注意事項にあった

iPhone 4Sは国際ローミング(海外のネットワーク)への切り替え、および、接続先事業者の選択が自動的に行われます。

というところを見てみましょう(ちなみにKDDI様が言っている「iPhone 4S」というのはあくまでもKDDI版のiPhone 4Sであって、以下に説明するようにSoftbank版には該当しません)。

ケータイWatchの記事にもあるように、

まず、au版の「iPhone 4S」は、海外で接続する携帯電話会社を手動で選ぶことはできず、設定画面に「キャリア」という項目がない。事業者は自動的に接続されることになる。CDMAローミングした場合、ステータス画面にはローミングとだけ表示されるが、GSMW-CDMAについては接続した事業者名が表示される。

au版「iPhone 4S」の海外ローミングに注意、高額請求の可能性も - ケータイ Watch

スクリーンショットが下の画面です。

KDDIiPhone 4S SIMフリー版iPhone 4+docomo SIM

注意していただきたいのは、右側のdocomo版にはキャリアという選択肢があり、AT&Tが選択されているのに対し、左側のKDDI版ではそもそもキャリアという選択肢が存在していないという点です。画面左上のキャリア名を見ると、Roamingと表示されていることから、現在接続中のキャリアは(米国におけるCDMA提供オペレーターである)Verizonであることがわかります。ケータイWatchには「GSMW-CDMAについては接続した事業者名が表示される」と紹介されていますが、Verizonは電波が繋がらないけど、AT&TなりT-Mobileならつながるという状況はそれほどないので、運良くそういう状況になったらスクリーンショットを取るようにします。

ちなみに、KDDI版で初めてiPhoneに触れた人のために紹介すると、キャリア選択画面というのはこんな画面です。こちらはハードウェアがそもそもiPhone 4なので(ハードウェア的にCDMAに対応したiPhone 4Sではないので)キャリア名の一覧にVerizonが表示されていません。KDDI版ではないiPhone 4SならVerizonが出るのかどうかは不明です。

さて、KDDIiPhoneは(青天井データ通信課金を避けるため)海外では電源を入れないほうがいいのか、というと必ずしもそんなことはなく、設定 > ネットワーク で表示される画面ではGSM/W-CDMA版とは一部違って細かな設定ができるようになっています。

KDDIiPhone 4S SIMフリー版iPhone 4+docomo SIM

KDDIiPhoneでは「3Gをオンにする」という選択肢はありませんが(2GはGSMで3GはW-CDMAという通信方式ではなく、2Gも3GもCDMAなので)、一方でローミングに関しては、「音声通話ローミング」と「データローミング」のそれぞれに関して、オン・オフを設定することが可能です。ですから、データ通信の青天井課金を避けるためにもデータローミングの方はオフにしておき、一方で音声通話ローミングに関しては、自分宛にかかってきた電話が受けられるように(また音声通話の発信ができるように)、オンにしておけば良い、というのが答えになります(一方、GSM/W-CDMAiPhoneでは「音声はローミングしたくないけれどデータはローミングしたい」という設定ができないのですが、そういう設定をしなければならない状況というのは考えづらいので、特に機能が劣るということはないと考えて良いかと思います)。

さて、音声とデータについてはここまでお話ししてきましたが、SMS(ショートメッセージ)に関してはどうなのでしょうか? こちらは明日以降取り上げていくことにしましょう。

KDDI版iPhone4Sを海外で使う!−米国編(1)

iPhone4Sが出てからずいぶん時間が立ちましたが、私も買ってしまいました。KDDI版です。本来であれば、これまでのiPhoneと同様、香港でSIMフリー版が出るのを待ってdocomo SIMで運用の予定だったのですが、64GBの大容量の誘惑に負けました。これまでも32GBの容量では聞きたい音楽の全部持ちが(AAC-HEの64Kエンコーディングでも)できなくて悔しい思いをしていたのですが、64GBあればかなりの曲が入れられるようになりました(全部はムリ)。

さて、KDDIiPhone 4SSoftbankiPhone 4Sの違いとして、FaceTimeやiMessageの使用可否というのもありますが、これは来年の1月には遠からず使えるようになるでしょう。私にとってはどちらもあれば嬉しい、といったレベルの機能なのでまぁ、いいのですが、海外によく出張・旅行するユーザーにとっては、いろいろ気になる点があります。

auお客様サポートのよくあるご質問を見るとこんなQ&Aがあります。

Q: iPhone 4Sは海外でも利用することができますか? (国際ローミングに対応していますか?)
A: 海外でも利用することができます。(音声通話: 206カ国、データ通信: 162カ国)
 auiPhone 4Sでは、海外で一般的な通信方式 (GSM・UMTS) に加え、CDMA方式のローミングにも対応していますので、世界中で最も幅広い事業者・エリアでのローミングが利用できます。
 特に日本人渡航者の多い、アメリカ、中国、韓国では、エリアに定評のある、ベライゾン・ワイヤレス、中国電信、SKテレコムCDMAネットワークとのローミングも可能です。
 なお、海外で利用できるエリアはこちら(http://www.au.kddi.com/service/kokusai/mokuteki_area/index.html)からご確認いただけます。

auお客さまサポート/よくあるご質問

しかし、喜び勇んでauiPhone 4Sを契約に行くと、こんな注意事項にサインをしなければならないのです。

5. 国際ローミングについて
iPhone 4Sは国際ローミング(海外のネットワーク)への切り替え、および、接続先事業者の選択が自動的に行われます。このため「海外ダブル定額」の対象事業者以外に接続された際はパケット通信料が高額となる場合がありますのでご注意ください。
iPhone 4Sにて「設定 > 一般 > ネットワーク > モバイルデータ通信」でモバイルデータ通信を「OFF(通信しない)」にしていただく事により、パケット通信を行わない設定ができます。なお、モバイルデータ通信を「OFF」にした際はSMS(i)の送信およびインターネット接続ができなくなります。

どっひゃ〜。要はアメリカでベライゾン、中国で中国電信、韓国でSKテレコムといったCDMA、かつ「海外ダブル定額」対応通信事業者に限定した接続設定ができない、イコール海外データローミング青天井課金宣言ですよ。

さらに、auお客様サポートにはこんなQ&Aも挙げられています。

Q: iPhone 4Sは、海外からもSMSを送受信できますか? (国際ローミング中にSMSを送受信できますか?)
A: CDMA圏内では、SMS(i)の送受信が可能です。
 GSM/UMTS圏内でのSMS(i)については、今後対応を予定しています。

auお客さまサポート/よくあるご質問

ううむ、私のような電話オタクならともかく、一般ユーザーにとっては、送受信の可否は出たとこ勝負にしか聞こえないですな。

こういった問題点を指摘しているのは、何も私が初めてというわけではなく、すでにケータイWatchにも au版「iPhone 4S」の海外ローミングに注意、高額請求の可能性も (http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20111027_486694.html) という記事が挙げられています。