Experience Prototypistのマルチリンガル子育て+プログラミングブログ

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Chinese Writer8 11月18日発売

中国語ジャーナルの裏表紙に広告があったので、初めて気がついたのだが、もうすぐ(11月18日)にChineseWriterの新バージョン、ChineseWriter8がリリースされるようだ。しかも、通常バージョン(31290円)のほかに、ChineseWriter8マスター(36540円)もリリースされている。ただし、マスターの方が特にプロ仕様ということはなく、むしろその逆の学生仕様となっており、ChinseWriter8シリーズが提供する機能の他に、抑揚変換と中国語検定3&4が加わっている。

抑揚変換とは、NHK教育テレビ中国語会話」を見ていた人なら声調二号、声調三号が表示する声の高低のグラフを目にしているだろうが、与えられた文に対してそういったグラフを表示する機能である(自分の喋ったものがグラフ化されるわけではない)。中国語検定3&4は単語が音声とあわせて学習できる機能。

マスターではない方のChineseWriter8の方に関しても、辞書がこれまでの小学館の日中辞典(76000語)・中日辞典(70000語)だけでなく、大修館書店の中日大辞典増訂第二版(143500語)、大修館書店 中国語新語ビジネス用語辞典(12500語、こちらのエントリは変換辞書にも含まれる)、日経BP社 日中パソコン用語辞典(4000語)が加わっている。辞書の分だけを考えても、お得感がありそうだ。

その他、変換という面からは、広東語入力(千島式、イェール式、香港言語学会式)のサポートや、GB18030に対応する辞書強化が挙げられよう。GB18030対応に関しては、前バージョンからサポートされていたものの、変換辞書はGB2312のみのものからアップデートされていなかったため、手作業でGB18030がサポートする単語等を登録する必要があった。これにより、GB2312では表現できなかった朱[金容]基も(アプリケーションが対応していれば)一発で変換できるようになった(日本における「草なぎ剛」と状況は一緒ですな)。

マスターに見られるような、中国語初学者サポート機能の充実は、オムロンソフトウェアの「楽々中国語」(のcWnnが)が変換効率からすればChineseWriterに遙か及ばないのにも関わらず、単語の一括辞書引き機能や学習ソフトの添付などにより、初学者の取り込みに成功している(マーケット的には初学者の楽々中国語、プロのChineseWriter)現実を踏まえた戦略なのだろう。「マスター」という命名はあまり良いとは思えないが。

逆に、プロという視点からすると、楽々中国語にあってChineseWriterにない機能のうち、サポートが望まれるのは、複数ユーザー辞書機能だ。自分で単語の登録を行う際に、情報源や使用分野といった切り口で別々のユーザー辞書に単語登録しわけたいと思うことが少なからずあるのだが、cWnnでは出来ても、ChineseWriterでは現状できていない(のではないか。私が持っているのはバージョン6なので、間違っているかも知れない)。