1992年に翔泳社から刊行された『ビル・ゲイツ』を本日、行きの通勤電車内で読了した。ブックオフで100円で買った本なのだが、なかなか面白かった。
発行年からもわかるように、本書が扱うビル・ゲイツ、およびマイクロソフトというのは、13年前までのものだ。Windows95どころか、(ビル・ゲイツにとってみれば、やっと満足の行くレベルに達した)Windows3.0が出たのが1990年である。
前後して、マイクロソフトはIBMとの協同作業、OS/2に別れを告げる。また、AppleII、Macintoshへの良きアプリケーション提供者であったにもかかわらず、スティーブ・ジョブズが追い出された後のアップルとは良き関係が結べなかった。このMSと絡んでいた二社、IBMとアップルとが(モトローラを含むPowerPC)CPU提供を含む技術提携を発表し、司法省は独占的行為の疑いで米国政府・州政府と長い戦いに入ろうとする(さらに、本書には書かれていないが、マイクロソフトがOS/2からWindowsNTへと方向転換をする、つまりOS、アプリケーションに加え、WindowsNT上で動作するサーバーソフトウェアに取り組みを始める)、その時点までを詳細におったドキュメンタリーである。
折しも、今年はWindowsが20周年を迎え、インターネット時代のドアを開いたといってもよいWindows95からは10年である。(値段こそ投げ売り状態だが)内容もしっかりしており、訳文もこなれており、非常に読みやすい。
BASICや、Fortran, COBOLといった言語屋としてのMicrosoft、MS-DOSやXENIX, OS/2(, Windows)といったOS屋としてのMicrosoft、そして、MultiplanからExcel, Wordといったデスクトップアプリケーション屋としてのMicrosoftが歴史や登場人物をたどりつつ、丁寧に書かれている。そして、OSを含むサーバー系アプリケーションベンダとしてどう展開を図るのか?
『ビル・ゲイツ』の次は、やっぱりこの本を読まねば。