Experience Prototypistのマルチリンガル子育て+プログラミングブログ

Design Thinking、語学(英語、中国語、韓国語)、日中マルチリンガル育児、littleBitsやRaspberry Pi, Arduinoを使ったExperience Prototypingネタ。

読書録(ファシリテーション関連)

今すぐできる! ファシリテーション

★★★★☆

デザイン思考において、グループ(人の集団)をチーム(同じDesign Challengeに向かう共同・共感の仲間たち)に変えるためにナビゲートする、場を作る人をファシリテーターと言いますが、そこにおいても適用可能なたくさんの「知恵」が込められた好著。会議における場面や状況を4つにカテゴライズし、そこで適用可能な35のフレーズを例示しているのだが、単にフレーズの説明や意味にとどまらず、そういった状況で前進を託されたファシリテーターを力づける言葉があふれている。

フレーズを覚えるという形から入ったとしても、実際の場でそれを使うことにより、自分のものにかえていくことができるだろう。会議という場の数(さらに自分がファシリテートできる数)は限られていたとしても、ここでのフレーズは仕事の中でも、生活の中でも適用可能だ。場数を踏むことも重要という意味では、アスリートがどの筋肉を使っているのかを意識するのと同様、場面場面でこう言うことによって俺はいったいどこへ向かわせたいのだということをちゃんとファシリテーターが意識することも重要だ。

新書サイズ、電子書籍という手元に置いておきやすい形で提供されていることにも感謝。

今すぐできる! ファシリテーション (PHPビジネス新書)

今すぐできる! ファシリテーション (PHPビジネス新書)

ファシリテーターの道具箱―組織の問題解決に使えるパワーツール49

★★★★☆

ファシリテーションを導くための言葉というカットで説明することもできるが、本書はさまざまなツール(道具)というカットからサポートする好著。

当たり前のことではあるが、会議はファシリテータの講演会ではないので、会議をゴールに向かう方向付けをするのに、ファシリテータがマイクを握りきってしまってはいけない。参加者から自由なアイデアを引き出して(発散)、参加者の間でアイデアが無視されることなく共有され、実際にどうしていくのか、ゴールに収束していく必要がある。参加者自身からのそういったアクションを引き出すには、言葉ではなく、ツールが必要だ。

49個のツールがあれば、その中にあなたのファシリテーションスタイルにあった(あなたが使うことであなたらしいファシリテーションのできる)ツールがあり、また、自分の思い込みではないツールの効果的な使い方と、モチベーションを高める的確な説明が本書にはある。研究会による共著という形が、各ファシリテータの経験から来る(単なる無機質な説明を大きく超えた)得意技の解説、および相互レビューという形で非常によく機能している。

読んだ後はファシリテートしたくなること間違いなし。

個人的には電子書籍形式での提供がされていることも非常にありがたい一冊。

ファシリテーターの道具箱―組織の問題解決に使えるパワーツール49

ファシリテーターの道具箱―組織の問題解決に使えるパワーツール49